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バンコクでの車所持事情

バンコク都内はうんざりするほどひどい渋滞が、毎日毎日人々の行く手を阻む。正直、自分自身もバンコクで車を運転するのは好きではない。しかし、バンコクから出てさえすれば、日本よりも信号が少なく快適なドライビングが多い。時にはわけのわからない渋滞が起こっている場合もあるが、100kmを超える道のりでも想像よりも早く到着することがあるほどだ。そして僕は中古車にこそメリットがあると考えて購入した。

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貧乏泣かせの輸入車価格

タイでは輸入車の価格がとんでもなく高い。その理由は単純で関税のパーセンテージが200%だからだ。もし、タイ国外から輸入しようものなら、その値段は3倍にもなるだろう。庶民感覚以下の僕にとっては到底手もでないし、買えもしない。

日本では新車価格500万で売っているドイツ車が、1,000万円を超えているの見てこれはどうかしていると感じていた。それ以上にどうかしていることは、街中で1,000万円を超える車がうようよ走っているという事実。それにはさまざまな理由があるとは思うが、タイの富裕層は桁違いの金持ちがたくさんいるということが1番だろう。

一般的なタイ人はタイで生産されている関税が乗ってない車や、インドネシアなどで作られる価格の低い車を購入する。「丈夫だから壊れにくい」「パーツ交換が安価」など、実用的な目で見ているため、トヨタやホンダなどの日本ブランドは大人気だ。

それでも僕は不思議に思う。平均的な所得をみたら、日本人よりもはるかに収入が少ないはず。しかし、車にしてもスマホにしても、無理して借金しても購入しがちなのだ。日本人の国民性でいえば、先ずは生活のセーフティを確保してから、嗜好品へと欲が向かう。あればあるだけ使ってしまうのが彼らなのだ。

前述したようにタイで生産された車であれば、50万円程度から購入できる車種もある。MG3はおしゃれ路線にいきつつ、価格を抑えている。デザインだけでいえば日本車よりも洗練されている気がする。ひと通りタイで生産している、あるいは輸入車だけども安価な車を見てきたが、心飛び跳ねる車はなかった。

中古車を選んだ理由

そもそも新車が高いという理由もあるが、もちろんそれだけではない。どこを見渡しても日本ではお目にかかれないようなクラシックカーが平気で走っている。車にさほど興味がない人にとっては、どうでもよくて気づきもしないことだろう。

しかしながらこれはとんでもないことだ。40年前・・いや50年前の車さえ走っていることは普通ではない。ここまで古いと故障すくなくないはずで、日本ではもう直せないとギブアップする人も多いだろう。後からわかることなのだが、タイではどうにかこうにかして乗れてしまうのだ。

エンジンが壊れたら載せ替え、コンプレッサーが壊れれば交換する。至極シンプルだが、難なくやってのける。もちろん、ディーラーのサービスなど受けられもしない車なので、町工場に持っていき修理するのだが、延命に次ぐ延命でどうにかするスキルは日本よりも優れているのかもしれない・・・と、思うほど。

もちろん爆安工賃だから直し直し乗るのも悪くない。ベースの新車価格が高いためか、基本中古車市場も総じて日本よりも高い。まず驚くことは、走行距離が価格にそこまで影響しないことだ。日本なら5万km走っていれば、まあまあ走ってるなとなる。でもタイは10万kmはまだ新車!と、言わんばかりの値段で売られているのだ。

これだけ聞くと「中古車のメリットないじゃん」と、なるだろう。しかしそうではない。日本ではそこそこ高いクラシックカーが、破格の値段で入手できる。そして、驚くべきことに年数が経過するほど、自動車税は下がっていくのだ。さらに8年目から車検が必要になるのだが、2,000kg以下の車であれば200バーツでそれ以上であれば300バーツという、日本からしたらありえない価格だ。

車検と言ってもドン引きするほど簡単なもので、ブレーキ・騒音・排気などのチェックをサッとするだけ。これだけ簡易的で安価だから、ボロ車もといクラシックカーが多い点は合点がいく。

中古車とは関係ないが自賠責保険も爆安で645バーツ。さらに一般的なコンドミニアムであれば、駐車は1台無料というところが多いだろう。東京都内であれば数万はかかるだろう費用が0となる・・・車が好きな僕にとっては所持しない理由は完全に抹消される。

タイの中古車を購入するときの心得

日本でさえ中古車は購入の際、細心の注意が必要だ。だがタイでの中古車購入は、その500倍注意してほしい。日本はとにかく道路が整備されているし、なにより日本人はモノを大事に扱う人が多い。そんな日本でさえ、状態の悪い中古車ももちろんあるだろう。中古車の販売先が不具合を隠して売却なんて話も聞くことがある。

タイでは状態の悪い中古車が当たり前にあると考えていい。むしろ悪いところを正直に記載していることの方が、少ないのではないかと思うほどだ。かくゆう僕はそれを理解して車を選択したわけで、考え方としてはあくまでベース車として考えて購入した。

ちなみに僕が買った車はカローラリフトバックという、1983年生まれの車。調べたら日本では到底6、7年の間では18,000台しか売れていない筋金入りの激不人気者だ。当時はセダンの時代で、まだまだハッチバックのような車が浸透していなかったためこのような結果なのだと推測している。

話を戻すとタイで中古車を購入するときには、それなりに故障があることを覚悟して、修理する前提となる。タイにはB-Quikなど、日本でいうとイエローハットやオートバックスのような立ち位置のお店がたくさんあるから便利だ。そのほか個人が営んでいるような小さい店にも、伝手があると困ったときに色々助けてくれる。

車購入後の苦悩と歓喜

ベース車として買ったマイカローラ。もちろん相当気に入っている。世代の人はわかるかもしれないがドアを開けた瞬、秒速で昭和の車のニオイがする。これがまたたまらない。レトロでかわいい外見ながら、ワイスピの東京ドリフトに出てきそうな攻撃的な一面も魅力だ。

あまりに異彩を放っているため、バイク乗りにガン見されて抜かれた後に、親指を立ててGOODサインをされることもあるほどだ。悦に浸った僕はドヤ顔をしているに違いない。俯瞰で見れないことが残念だ。

購入直後、乗り回したい気持ちを抑え、とりあえず友人に紹介してもらった車屋さんにて、車をチェックしてもらい悪いところを直しに出した。交換した部品で一番高価な部品はオルタネーターだっただろう。20か所くらい修理・交換箇所があったが全部で20,000バーツ程度。

これは余裕で納得のいく値段だ。実はこの車を購入する前に、シボレーの車を売却したのだがそれが9万バーツ。そして、カローラを購入した価格が54,000バーツである。そこそこ普通に乗れるまでの修理も含めて、9-10万バーツに収まればいいと算段だ。

ようやく普通に乗れる状態になったのだが、新たな問題が・・・自動車税を2年間払ってなかったようでそれも払わなければいけない謎のルールがあるようだ。前の持ち主の所持期間の分も払わなければいけないのかと思いつつ、早く乗りたいからすぐに支払いを済ませた。

名義変更や手続きをすべて終えるまでに2か月程度かかった気がする。待望の瞬間が来たのであっちこち乗り回した。しばらくしてエアコンが冷えなくなったため、行きつけの修理やに持っていきリーク箇所を直し冷媒ガスを補充。これが悲劇の始まりだった。

ここから何度修理をしたことか。コンプレッサーまで交換して、一時的に直ったもののすぐに冷えなくなる。コンプレッサー交換後、2回の修理でようやく直り切った。古い車なので今の車に比べたら、冷却能力は雲泥の差だ。それでもできることはやろうと考えていて、次はセラミックガラスに交換を試み、エアコン以外の要素で改善しようと検討中。

エアコンの修理・冷媒ガス補充に関しては、初回に1,500バーツをとられただけでそこからはフリーだった。ちなみにコンプレッサーの交換は6,000バーツ。総じてみて修理は信じられないほど安い印象を受ける。果てしない故障ラッシュは想定外だったものの、これは喜ばしい。

エアコンの後にはマフラーの配管部分に穴があいており、全交換もした。これも6,000バーツと予想よりも安価だったので、まあ許すとしよう。

修理だけではなく、段階を踏んで車をアップグレードさせていこうと思う。塗装を塗りかえたり、オートロックにしたり・・・やりたいことが叶いそうな予感が止まらない。

車は持ってもいいかもしれないよ

数々の障壁はあるものの、僕はタイでの車所有はありだと思う。一番の理由は買ってさえしまえば、維持費がべらぼーに安いからだ。ガソリン代の高騰を踏まえても、持っていて損はないと思っている。部品も入手しやすいことは間違いない。なんだかんだ直してしまうので、よっぽどでなければ修理できる。

通販などとの合わせ技でカスタムもできちゃう。それでもコストのことだけで言えば、タクシーが安いので所持すべきと断定的な言い方はしなかった。車好きには所持すべきと言っておこう。ではでは!

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