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一時帰国。俯瞰で眺めるバンコク

わけあって日本へ一時帰国している僕は、ふと人生について考えた。つくづく、「普通のレール」からはみ出していると感じている。普通にしていれば無難な生活をして過度な刺激も退屈も存在しない、ただただ土日を待つマンになれていただろう。

しかし、僕は何もない凡ながら、舗装されていない道を選んでしまった。後悔していようがいまいが、もう戻れないところまで来てしまっている。

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バンコクからの帰り道

最近は日本のタイが遠いと感じたことはない。そのクセ、タイの家から出るときには入念な準備をして、なぜか感傷的な雰囲気に浸るのである。僕だけだろうか?旅の準備は夏休みの宿題ほどギリギリになるまでやらないスタイルを貫いている僕だが、直前には「何か忘れ物はないか?」と慌てだす。結果としていつも何か忘れているし、「アレ持ってくればよかった」と後から思うのが定石だ。

今回はジップエアをチョイス。前回乗った時に足元スペースが広く楽だったので、エアアジアではなくコチラを選んだ。ちなみにエアアジアは座席が垂直過ぎて、直角な姿勢で座る感じになるイメージはあるのでやめておいた。最近はLCCもスワンナプームからなので、ドンムアンに比べて便利だ。

朝に出ようが夜に出ようがタクシーが捕まらなかったことはない。2時間前に空港に着くように出発する。いつものように道でタクシーを呼び、いつものように何回か断られ、ようやく乗車。モーターウェイかバンナートラッドという通りで空港に向かう。今回モーターウェイだ。

自分あるあるで理解しがたいことかもしれないが、空港へ向かうときは外を眺めながら「この当たり前の景色がいつかは見れなく日が来るかもしれない」と考える。いや、空港へ向かうときだけではなく、思い入れの深い場所ではいつもそうかもしれない。

そんなことを考えていると、ぐちゃぐちゃの電線や太り過ぎた野犬すらいとおしく情緒的に見えてくる。エモーションの効いた帰り道を経て、空港に到着。すると空港特有雰囲気やニオイが僕を包み込む。帰り道より、寂しい感じになるのが空港だ。

2時間前と言えど僕はこの2時間を長く感じたことはない。そそくさとチェックインを終えて、出国ゲートへ向かう準備をする。ゲートのは日本人・タイ人・その他、色んな人種がいるが、ふわっと眺めて「この人は何をしている人クイズ」を自問している。もちろん、話しかけるわけではないので、答えは出ずに妄想止まりだ。

さあ、出発の時刻だ。飛行機の中で睡眠をとりたいので、出発日の前日にはいつも夜更かしをする。今回も例にもれず睡眠不足だったので、早々に眠りにつけた。

日本に到着

到着して驚くことは自国ながら、何もかもが行き届いていることだ。掃除の行き届いた建屋やマナーを重んじる民、もっと根本的なことを言えば建物の耐久性までもが違う。タイの建物は劣化が早く感じる。コンドミニアムも10年経たないうちに、ガタが露呈する。

日本は小学校の時にすでにあった建物ですら、あのときのままの姿で立っているのだ。日本の先人が気づき上げた、技術の結晶はダテじゃない。日本人でありながら、「日本に住みたい」と考えるほどだ。空港からバスに乗り池袋へ向かう。バンコクの発展は目覚ましいものだが、改めて東京を一望すると比較にならないと感じてします。

バンコクは急激に発展したがゆえに、スポット的に栄えている。狭いエリアでしかないのだ。少し車を走らせれば建物の平均身長はすぐに下がる。東京は首都高を走っていると、どこまでも同じような景色が続いていて、ここ10年20年で作られた都市ではないと実感。

こんな見方をできるようになったのはバンコクに住んだおかげである。バスを降りて電車に乗り、地元へ着いた。道も果てしなくキレイだ。ここまで道がしっかり整備されていると、雨上がりのタイルの隙間から水がブッシャー跳ね上がる現象(バンコクでよくあるやつ)も起こらないだろう。

いろいろ考えていたら無事実家に到着。最近、頻繁に帰るので実家の母もテンション上がることなく、普通に迎え入れてくれた。いつ戻っても実家とは本当にいいものだなあと感じる瞬間。最高過ぎる!

日本から眺めるバンコク

住み始めはたときは、いいところしか見えなかったバンコク。まだ旅行者気分だから、少しくらいの粗は見えない状態だったのだろう。今でも住みやすさでいえば、諸外国の中で上位に位置することは間違いない。日本を離れて久しくなる。今では日本への帰国が旅行気分だし、懐かしさ補正がかかり、日本の悪いところが見えない。

日本人の民度の高さは世界一なのではないか?というほど、ちゃんとしている人が多い。物価の高さは気になるところだが・・・

最近はタイもゴリゴリと物価が上がり、その弊害は最末端ともいえる屋台まで来ている。近所の行きつけドリンク屋台は、以前までは25バーツだったタイティーを30バーツに値上げ。今のレートで20円だが、率で見れば20%も上昇している。これは庶民からすれば結構な破壊力だ。

他にもいろいろなものが上昇している。それを踏まえても日本よりは安いと思う。しかしながら、昔のタイを知る人なら安いとは思わないだろう。もしかしたら、観光客ですら「思っていたより物価が高い」という思いを抱く可能性がある。夜の街に行くとパンデミック明けで、観光客が多いだろうと予想は大ハズレ。

夜の物価急上昇につき、毎年何回も来ていたような手練れたちもタイで遊ぶメリットに疑問を感じているのだろう。愛をお金で買うにも限度がある。それでも強行して訪泰する勇者もいるが、絶滅危惧種だ。これは非常に悪循環。客が入らなければ、客単価を上げようとみんな必死だ。噂が噂を呼び、ますます観光客が来なくなる。

LCCですら昔の一般航空会社ほどのチケットが高い。そうなってくると上野や池袋で、お茶を濁した方がはるかにコスパが良いだろう。タイのような非日常的な遊び方はできないものの、地に足のついた楽しみ方がある。「安い」「うまい」のタイ料理同様に、夜遊びも「安い」「楽しい」がタイの本質な気がする。

マイナス部分から先に吐き出したが相変わらず、もしくはそれ以上になった点が家賃だ。パンデミックど真ん中の時は入国規制があったため、コンドミニアムのオーナーはタイに住んでいる人を掴まなければいけない状況に陥った。そのため、極端に家賃を安くする賢人オーナーが出現。終わりの見えないパンデミック期間だ。何も対策を講じなければ家賃収入は0で、ローンの支払いが滞る。

これを避けるために大幅に家賃を下げて、借り手を探すオーナーが出てきたわけだ。さらに賢い人は契約書に、格安家賃で借りられる期間を設けていた。僕もこの期間に引っ越しをして家賃大幅ダウンに成功した口たが、オーナーの人が長く借りてほしいとのことで更新時にも家賃を上げてこない。実にありがたい話である。

あとは移動が圧倒的に破格に安いので、これは大きなストロングポイントだ。日本ほど電車の路線を都内を網羅しているわけではない。しかし、日本と比較すると爆安の初乗り35バーツ。どこで飲んでいてもタクシーありきで考えるので、終電を気にしたことがない。地方にいくにもツアーバスがあるので、自分の車は必ず必要というわけではないと思う。

これは意見が分かれると思う点だが、生きているだけでは日本ほどお金がかからない。社会保険・年金・住民税のようなものもない、あるいはそこまでの負担にならないのだ。その代わり、年金のようなものは月で600バーツしもらえないと聞いたことがある。将来のことを考えない今を生きる系の人々には、すごくいいことと感じることだろう。かくゆう僕がそうであるように。

結局どっちに住めばいい問題

答えの出ない論争ではあるが、自分が高給取りなら日本はまた違った顔が見えてくるのだろうと思う。日本の一般的水準の収入であれば、タイはまだまだ贅沢ができる。あとは腐るほどある気になる点を受け入れられるのなら、タイでの生活を満喫できることは確実だ。何回も考えた結果どっちに住めばいいか余計わからなくなってしまったので困っている。

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