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モテたいマンから効率マンへ変貌

モテたいモテたいモテたい!!タイに来たばかりの時はそんな煩悩が頭を占領していた。しかし、次第に夜遊びへの抗体ができるにつれて徐々に心境は変化し、釈迦も顔負けの悟りの境地へ突入。

あれだけカチカチになるほどモテたいという気持ちは、無駄を省こうという気持ちに淘汰されていった。

目次

かわいいと感じたら突撃

観光なり、仕事なりで初めてタイを訪れた人々は、夜遊びの楽しさに度肝を抜かれるだろう。以前、僕は引っ込み思案な友達を夜の街に投下しことがある。引っ込み思案なだけならまだいい。彼はお酒ものまったく飲めないのだ。しかし、彼はかつてないほどハイになっていた。そんな彼を見たことがないほどに。

普段はポットに乗っているフリーザくらい大人しい彼だ。ポットから降りたフリーザは、あの惑星ベジータの王子ベジータもブルブル。ポットから降りた彼もそれと同等の衝撃を僕に与えた。何が言いたいかというと未体験でのタイの夜遊びは、爆発的なエネルギーを放つ色街にとりつかれる。

観光でタイの夜遊びにとりつかれて、治らなくなった患者たちも腐るほどいるはずだ。なんやかんや理由をつけて、しょっちゅうタイに遊びに来る人がいると思うが、タイ中毒者の可能性が高い。偏見だったらすみません。

僕もそのエネルギーに浸食されかけた口である途中で気づいた口だ。初めて遊びに行ったときは例外に漏れず、魅了された。初陣は何を隠そうナナプラザ。入口を入るとんでもない摩天楼がそびえたっているように思えた。実際は簡単に見渡せる、たかだか3階建てのコの字の建屋だ。

遊びに行った日は店前で客引きをする女のコたちが溢れていた。その破壊力は日本のキャッチの比ではない。初陣で押しの弱いジャパニーズ侍たちは、いとも簡単に店へといざなわれるであろう。かつて僕がそうだったように。なんだかわからないが、全然かわいくないのにかわいく見えてしまう補正がなにしろすごい。テンションも相まってとりあえず入ってしまう。

お店に入って少しでもかわいいと感じたら、とにかく連絡先を聞いていた。店の中ではせっせと欲望の具現化作業を遂行。毎日毎日ぐっちゃぐちゃになって帰宅していた。そして、翌朝には「どうやって帰ってきた」とほとんどない記憶をたどり、もうろうとしながら仕事へ向かうのだ。

連絡先を聞くパターンには2つあると思う。1つはサービスが良かったから、また利用させてもらいたいという気持ちで聞くパターン。もう1つはサービスを超えた愛を生み出そうとするパターン。前者はスケベだがある意味健全だ。後者はタイにはまる人間が陥りがちな、いわゆる疑似恋愛モードである。

バンコク1年生の僕は、皆がやさしくしてくれるもんだから、とにかく連絡先を聞きまくって常に「あわよくば」のエピソードをさがしていた。もちろん、わけのわからないことが起こることもあるが、あまりに効率が悪すぎる。バンコク歴を重ねるごとに遊び方は洗練されていった。

夜遊びマグロになれた日

もうバンコクの遊びに慣れてしまって、ちょっとやそっとじゃあ刺激を感じなくなったころに変化は訪れた。長く住んでる人ならわかってくれると思うが、初見に衝撃を受けたゴーゴーバーの輝きが日常になり、カラオケの店選びで女のコがずらーっと並んでも、平気で断れるようになるもんだ。慣れとは本当に恐ろしい。

もう自分から遊びに行くこともほとんどなったのだが、友達と遊びに行くのはいつまでたっても楽しいもの。女のコたちの会話は「どこから来たのー」「彼氏いるのー」とかルーティーンのように聞く。聞きながら自分でも「腐るほど聞かれてるから、なんもおもしろくないんだろうなあ」と、思いつつ聞いている。

大体のコは話を広げるスキルをもち合わせていないものだ。しかし、なかには機転の利くコもいて、殿方たちを楽しませることができる百戦錬磨のクイーンがいる。こういう女のコは賢いから、客が何を求めているかわかっているのだ。彼女の勝ちパターンにはまる人間が有象無象にいるので、恐らく相当な数の客と連絡先を交換しているだろう。

当初なら僕もその中の1人だったことは間違いない。ところが無駄に連絡先を聞いても、よっぽどかみ合わない限り長続きはしないし、何がどうあれ猛烈なスピードでバーツはなくなるだけなのだ。その日から僕は連絡先を聞くことをストップした。お近づきになりたい人がいたらどうするの?と、思うかもしれない。

連絡を聞きたいときは水のように欲を捨て去り、紳士なふるまいをすると決めている。いい年こいたおっさんが余裕がなく、がっつくと軽くあしらわれて終わりだからだ。そして、なるべく逆に接客をしているような対応をして、できるだけ彼女にしゃべらせる。決して連絡先は自分からは聞かない。

向うから連絡先を聞いてもらえるのをひたすら待つのだ。ただ、出会いから3回くらいまでに聞かれなければ、脈なしと考えて良いだろう。しかし、聞かれる問ことは好意をもたれているということ。むやみに凸するよりもこうした方が、効率が良い。ラインも整頓され、余計なものは残らなくなる。

もっともリッチで金銭的余裕がある人なら、欲望のままひたすらあそべば良いのだと思う。僕の場合はギリギリの生活をしながらもできる範囲で遊びたいと考え、この境地に至ったわけである。

夜の街でブイブイ言わせたい紳士諸君

今日も夜の色街では「シャチョサン」「カッコイイサン」「ミルダケタダヨ」など、奇々怪々な日本語が飛び交っている。夜の街で好かれる方法はいろいろあるだろう。どう転んでも根底にあるものは「お金を稼ぎたい」ということに尽きる。早くして子どもを授かった者、親への仕送りをする者、単なるお金の亡者など、各々理由はあるだろう。

だから一番手っ取り早いのは羽振りよく遊ぶことである。これには抗えない。お金が必要ということに加え、派手に飲み散らかすのが好きなコが多いので、バンバン飲んでれば自然と周りが賑わい始める。しかし「この人金持ち」認定をされてしまうと、店を出た後に自分の金でもないくせに大盤振る舞いしだすので注意が必要だ。

なので予算の許す限りで、できる限りのことをやってあげましょう。向うもあくまで仕事なので、省エネモードにして全く飲ませてあげないとかは悪魔の所業だ。

皆さんも自分なりの楽しみ方・遊び方を追求してね。

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